Darkness world -ある捻くれ者のつぶやき-

成瀬香織です。私の幼少期からの出来事をエッセイ形式で書いていきます。(ちなみにこれは全て私の心理カウンセリングで使われたものです。虐待などの内容を含むため、閲覧にはご注意ください)

努力あるのみ

少なくとも私はいじめっこよりも称賛されるべく者であると思う。

欲しいものは手にいれたし、したいこともした。それも全て高校生の頃や社会人になってから。高卒で名の知れた会社に入社し、周りからのいやがらせや新人いじめにも耐えながらも仕事をこなしてお金を稼いだ。そして車のローンも自分で払い、高級ブランドの服やバッグも買った。休日になればお気に入りの服を着て愛車に乗り、繁華街に繰り出していた。シャネル、ヴィトン、ヴェルサーチ、18歳の小娘がそういうハイブランドの服や小物を身につけているのだから、ある意味驚きなのかもしれない。時には美容院に行くのにシャネルのスーツを着てディオールの赤いハイヒールを履き、ヴィトンのバッグというファッションを楽しんでいたことも。けれど顔は童顔という…

他にもあった。バッグの中身を出せば財布はヴィトン、化粧ポーチはプラダ、キーケースはヴェルサーチ、ハンカチもヴェルサーチ、化粧ポーチの中身はシャネルの化粧品ばかり。

 

そんなある日の出来事。

偶然入った美容院にて、近所に住んでいたいじめっこの女がそこで美容師見習いをしていた。すぐに彼女だとわかった。向こうも私にすぐに気づいた。

「あれ?成瀬じゃないの?久しぶりー!」

端から見たら普通に友人と再開するような感じだろう。だが…

「ちょっとぉー、何これ?どうしてあんたがこんな高級なバッグ持ってんのよ。それに今つけてる指輪も…」

ははーん。マウント取ろうとしていじめていた相手が高級ブランドの服やバッグを持っているからと嫉妬が始まったかな?と暫し観察をすることに。

私を担当してくれた人はその美容院の店長の女性だった。だいたい年齢は20代後半ぐらい、ファッションにも詳しくおしゃれなお姉さんという感じの方であった。そしてその日の彼女はヴィヴィアン・ウエストウッドのシャツに同じヴィヴィアン・ウエストウッドのスカートを履いて底の厚い編み上げのブーツを履いていた。髪は美容院らしくピンクに染められていてツインテール、悪くない。

その美容師さんに私の服装も誉められた。

「それ、ギャルソンのワンピースですよね?素敵ー!それともしかして、ブーツはジェーンマープルですよね??可愛い❤️」

全てご名答だった。この日はコム・デ・ギャルソンの黒の膝丈のワンピースに赤いスカーフを合わせて、足元はジェーンマープルの赤い編み上げのブーツを履いていたのだ。さすが美容師さん!私はすかさず

「斎藤さん(担当の美容師さん)こそ全身ヴィヴィアン・ウエストウッド!羨ましいです」

と応えた。本当に私好みだったから。斎藤さん曰く美容師という職業上、やはりおしゃれや流行には常にアンテナを張ってファッションの研究も欠かさないとのこと。そのプロ根性は今でも尊敬ものだ。

そこにいじめっこの女が来たのだ。

「その指輪、あんたに似合わない!なにそれ、大きい石なんて付いてておばさんみたいじゃん!ちょっと貸しなさいよ!」

と言って私から指輪を強奪して自分の指にはめて走り去って行った。他にもその日だけで私にはブランドの服や小物は似合わない、その服もピアスも寄越せ。こっちは少ない給料で国民年金も払ってる。だから服なんてニッセンとかでしか買えない。などといい放った。

ありえない。

私も働いてお金を稼いでそれで年金も払って、車のローンも払ってある程度お金を貯めて服とかバッグとかも買ってますけど?そもそも自分は稼いでないからと人様の物をねだるとか、正直意地汚くも思える。

それ以前にそういう思考にたどり着くのが理解できない。そのいじめっこの女は美容院での勤務を終えてからは練習をやって、そのあとはクラブに行ったりするというのがほぼ毎日で、だったらお金も貯まらないだろう。残念な女だ。

ファッションだけではない。資格もそうだ。

たくさん勉強をしてたくさん資格も取った、簿記検定、情報処理技術者、情報処理検定、実用英検準一級、TOEICのハイスコアなど。

旅行だっていろいろな場所に行った。沖縄、北海道、京都、韓国、グアム、上海、フランス、イギリス。

28と29の時にカナダへの留学も二回した。二回目の留学の時は大学の聴講生として講義も受けた。全て自分の稼いだお金で。好きなこと、独身のうちにやりたいことをやってから結婚した。

別に自慢するわけではない。私が努力をして手にしたものだ。それ以外のものはない。事あるごとにその女は羨ましがっていた。まぁいいよ、羨めばいい。結局その女は22の時にできちゃった婚をして23で出産した。それからは結婚したことをしきりに私に自慢していた。それこそダサい考えだと思う。努力もせずに人様に寄りかかって生きることほど情けないものはないと思う。彼女は結婚が理想だと最初は言っていたけれど、後に判明したのは独身のうちにやりたいことをやれなかったというのだ。たとえそうでも自分でやろうと努力しなかったとしか思えない。一応美容師の資格は取ったそうだが、美容師として一人前になる前に子供ができて結婚して美容師の仕事を失ったといっている。ただでさえ流行に敏感な業界であり、トレンドを追って更には技術を身につけてなんぼの世界。復帰する気になれば復帰することも叶うはずだが、彼女は未だに美容師の仕事に復帰していない。