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Darkness world -ある捻くれ者のつぶやき-

高坂はる香です。私の幼少期からの出来事をエッセイ形式で書いていきます。(ちなみにこれは全て私の心理カウンセリングで使われたものです。虐待などの内容を含むため、閲覧にはご注意ください)

ストーカー

トーカー、されたこともあるがしたこともある。ストーカーをしたことについては、私は正直後悔していない。

というのも「世直し」のためにしたものだったからだ。

 

罪の無い女性に思わせ振りな態度をとったり、平気で嘘をついたり、でまかせを言って振り回すなど、女性として許せなかった。だから私はその男にわざとストーカー行為をしたのだ。無論それはすべて演技だった。

 

その相手とは、私が19歳の頃に私の1年後輩として入社してきた新人の男だった。飄々とした関西人、良く言えば人懐っこい、悪く言えば馴れ馴れしい。私の好みではない。

その新人(以下大久保さん)は、何かと私に声をかけてくるようになった。私も女子社員の中では一番若いこともあり、話しやすかったのだろう。本音を言ってしまうと「いつもニヤニヤしていて気持ち悪い」と思ってしまったぐらいだ。

 

しかし私の気持ちとは反対にやはり新人ということもあってか、雑用などを任せられる時には大久保さんと仕事をしなくてはならない。無論仕事ということもあり逃げられない。正直逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、仕事だと割りきって奴とは普通に話すようになった。

が、私は次第に大久保さんを見下すようになっていった。今で言うヘタレであり、いつもニヤニヤしている、先輩にも平気でタメ口を聞くなど、私には受け入れ難いキャラクターだったからだ。そして大久保さんは勘違いしたのか、私にもタメ口をきくようになりでまかせを言うようになっていった。

 

そんなある日の出来事。

朝出勤してきてデスク周りの掃除を済ませて朝礼に出たあと、各営業所から届く書類や郵便物を支社内の各部署ごとに分けていた時だった。

私は先輩社員の中川さんと一緒に世間話をしながら書類分けの作業をしていた。中川さんは私と同じ部署の先輩であり、姉御肌の女性だった。仕事に厳しいながら面倒見もいいので私は彼女と仕事をするのが嬉しくてたまらなかった。だからこうして通常業務外の書類分けの作業を一緒にするのを楽しみにしていた。

この日は中川さんと私はお互いの恋愛観の話で盛り上がっていた。というのも中川さんには長く付き合っていた彼氏がいて、つい先日婚約をしたという話を聞いたものだから私の恋愛観や恋愛事情についてもやはり質問されるのだ。

当時の私は彼氏もいなくフリーであり、恋愛をする気持ちも特になかった。ただ、好みのタイプはあったので、その話をしていた。

そしてそこに大久保さんが書類分けの作業にやって来たのだ。当時私の職場では書類分けの作業やその為雑用は女子社員の仕事であり、本来ならば男子社員である大久保さんは対象ではなかった。それなのに毎朝書類分けをしていると、大久保さんはやって来て一緒に書類を分けるのだ。恐らく彼の気持ちは「新人なんだから雑用全てをやらねば」というものだったのだろう。

この日の私と中川さんは前記のとおり恋愛観や恋愛事情の話をしていて、言うまでもなくその話は大久保さんの耳にも入ってしまった。私はさすがに大久保さんは私たちの話を黙って聞いているか「彼氏いるの?」ぐらいな話をしてくるのだろうと考えていた。しかし、彼は違った。私に彼氏がいないと知るや大久保さんは私にこう言った。

「高坂さんあのなぁ、○○営業所の原田さんがあんたのこと好きだって言うてたわ」

原田さん…、去年まで一緒に仕事をしていた私の同期だ。私のことを好き?いやいや、原田さんには彼女いるし、そもそも面倒くさい性格の原田さんのことは同僚としては好きだが、私の好みじゃないから。と、私は大久保さんの一言で困惑したのは言うまでもない。

それだけではなく、大久保さんから原田さんの話はほぼ毎日聞かされた。原田さんが私に会いたいと言っていただの私のことをもっと知りたいと言っていただのと。それだけじゃなく、ある朝私と中川さんがいつものように書類分けの作業をしていた時に、中川さんが彼氏から婚約指輪をもらった話をしてくれた。私は普通に「おめでとうございます!」と中川さんに言ったその時だった。どこからか大久保さんが現れて私にすかさず

「あのなぁ、原田さんが高坂さんに渡すって言って指輪を持ってたの俺見たよ」

と言ってきたのだ。

また原田さんの話ですか、と半ば呆れ気味な私。さすがにその場にいた中川さんもこのときは絶句していた。

好きだと言っている、会いたがっている、まぁそれだけなら別にいい。直接なにかがあるわけではないので。しかし付き合ってもいないのに指輪とか…正直そういう発想が気持ち悪い。原田さんとは確かに仲がいい、だがそういう関係ではないしそういう関係になるっりもなかった。だから「指輪を準備して持っていた」と言うのなら普通の感覚では気持ち悪いとしか思えない。

さすがに私もそういうことをツラツラ言う大久保さんに腹が立ってこう言い放った。

 

「そういう失礼な物言い、止めてもらえますか?事実出もないことを言われても嬉しくありません!」

 

さすがに大久保さんはその場で黙りこんだ。中川さんも何も言わず、黙々と書類を分けていた。私は大久保さんと同じ空間にいるのが嫌になり、その場から立ち去った。

デスクに戻ってもモヤモヤした気持ちは晴れなかった。

「そもそも付き合ってもいないのに指輪とか、本当にそうなら気持ち悪いんだけど。それに私は原田さんのことは同僚としては好きだけど付き合うとかそういうのは考えられない。いろいろと面倒だから。それに私は原田さんの連絡先を交換してはいるけれど、仕事の話しかしてない…」

戸惑うしかないのだ。

そしてその日の昼休み、休憩に入った私は弁当を持って給湯室に向かい、お茶を入れて休憩室に向かおうとしていた。するとそこに大久保さんが現れたのだ。

「はぁ、正直顔も合わせたくないし話もしたくない…」

と私は思った。大久保さんはそんな私の気持ちを知ってか知らぬかいつものようにニヤニヤしながら

「今からお昼?」

と聞いてきた。ニヤニヤしていたのも気に入らなくて私は怒り口調で

「ええ、これが何に見えます?」

とだけ伝えてその場を去った。そして休憩室に着くと偶然ついていたお昼のバラエティー番組を見ながら弁当を食べた。この日は結局同僚や先輩たちともあまり余計な話をしなかった。

 

それから数日後、大久保さんは私に謝罪してきた。私は許すつもりもなかったが、同じ職場の同僚でもあるので、表向きでは許したつもりでいた。だから普段の話でもしばらくは仕事の話以外はしなかった。

新年度になり私は別の営業所に転勤が決まった。転勤前はなにかと忙しく残業の日々、土曜日も休日出勤をして残務処理をしていた。そんな中、最終の土曜日に休日出勤していたところ中川さんと大久保さんも休日出勤していたのだ。中川さんはいいのだが、大久保さんも…と不安になったのは言うまでもない。そしてその不安は的中した。

休憩をとることになり、私は中川さんと話をしながら缶コーヒーを飲んでいた。そこにお約束のように大久保さんも混ざってきて雑談を始めた。最初は普通に中川さんの新婚生活の話をしていたのだが、大久保さんは突然話題を変えて私にこう言った。

「高坂さん、あんたさぁ~…いつ見ても巨乳だよなぁ」

はぁ?!何言ってんだこの男は…と思いつつ私は

「さすがに選べるものじゃないんで…」と言葉を濁した。内心ここでも気持ち悪いと思っていたぐらいだ。「いつ見ても」って、この男は毎日私の胸ばかり見ているのか?と思ってしまう。更に気持ち悪い。

それを察したのか、中川さんは次の話題を振ってくれて、別の話をし始めた。そこで中川さんはすでに入籍も済ませて戸籍上の苗字は中川ではなく森田になっているが、職場では引き続き「中川由佳理」と名乗る、旦那さんは美容師さんであるなどと話していた。

 

そして残務処理も終わり、翌週から私は転勤先での業務をスタートさせた。しかし運悪く新しい職場での担当業務が大久保さんを通すことになってしまい、先行き不安な思いに苛まれた。

「またセクハラ言うんだろうな、あのクソ男は!」

そう思っていた。案の定セクハラ発言や虚言が無くなることはなかったのだ。私の転勤先はまず所長がいて、同期の原田さんがいる。そして同じ事務員の女性がひとりと、四人体制だった。そんな新しい職場で今度は所長によるセクハラや強要が普通にあった。営業所にいれば所長のセクハラパワハラ、支社に電話をすれば今度は大久保さんからのセクハラ…、心底嫌になった。

結局私はそこに1年いてその会社を辞めた。辞める少し前に原田さんが「高坂さんを励ます会をやろう!」と発案して大久保さんも呼ぶことになり、「高坂さんを励ます会」をやることになった。私個人の意見としては、どちらとも飲む気はなかったが、どちらかと言えば原田さんの方がまだいいという思いだった。そしてその席上でことの成り行きで大久保さんと連絡先を交換してしまったのだ。

 

無論私が会社を辞めた後も大久保さんは私へのセクハラ発言やでまかせ、虚言を止めなかった。この頃になると「妄想か?」というようなレベルだった。大久保さんは最初の頃こそ「高坂さんに職場で会えないのは悲しい」ぐらいの発言だったが、回を増すごとにエスカレートしていってひどい発言が目立つようになった。

「結婚したら俺に卵焼き作ってほしいなぁ」とか「今すぐ抱きたい!」とか「でき婚狙おう!」など。もう本当に妄想でしかないような発言が並んで私も気持ち悪くなった。そしてそんな中、大久保さんとその同期の方数名でスキーに出掛けたのだが、そこでも彼の私への態度は恐ろしいほどのものだった。他の人もいるのにいきなり抱きつく、キスしてと言う、手を無理やり繋ごうとする、体を触るなど。私にとっては地獄でしかなかった。そもそも大久保さんの同期の方は優しくて親切な人が多くて私も彼ら(大久保さんの同期の方々)を気に入っていた。だからスキーにはついていったのだ。

その後も彼からのセクハラや思わせ振りな態度がなくなるはずもなく、昼夜問わずしつこく思わせ振りな内容のメールが届く、電話がくるようになったので、私も普通に相手にする気を無くして仕返しを考えるようになっていった。

 

そこで思い付いたのは「偽ストーカー」というもの。偽ストーカー、それは散々思わせ振りな態度を私にしてきたことによって私が大久保さんに恋心を抱くようになったふりをするというもの。無論彼が私との交際を断れば私は表面上のストーカーとなるものである、

そして私は「好きになった!」と大久保さんに告白をした。しかし彼の答えは「友達以上にはなれない」というもの。

やはり予想通り、これまでの発言は全て思わせ振りな態度であり、虚偽だったということだ。もうここでそう分かった以上私は大久保さんに優しくする必要もないのだ。だからここでストーカーに成り済ますことになった。

まず、私が振られたという事実から始まり、私はそこでわざと大久保さんに「まだ好きなの、それにあなたは私にでき婚を狙おう!とか言ってたのにこれなの?」などと交際を迫ったのだ。もちろんそれは本心ではない。彼の口から出たでまかせや虚言を盾に私は彼に迫った。そしてそれもエスカレートしていき、ストーカーになりきってこれまでよりも更にきつく交際を迫ったのだ。

今まで私にはたくさん思わせ振りな態度や言動をとって、いざ蓋を開けたら「それらは全て嘘でした」となると私もバカにされた気持ちでいっぱいだった。だから思いきって私は仕返しをしようと彼へのストーカーまがいの行動を続けたのだ。

無論彼からストーカー呼ばわりもされた。けれどそんなものは痛くも痒くもなかった、女にそういう嘘を平気で言うような男に私は「女をなめるな!女も怒ると怖い」ということを教えてやりたかったのだ。

その表面上のストーカーはしばらく続き、私は自信の親友にも「私は裏切られたの!結婚詐欺だ」などと言って彼の悪口を吹き込んだ。親友だけじゃない、私の元職場である彼の職場の知り合いにも悪口を吹き込んだ。もちろん私は被害者であることを伝えて。こうして大久保の不祥事を私は職場にもバラしたのだ。

 

それからほどなくして私は彼が苦しんでいる旨元職場の知り合いから報告を受けたこともあり、彼から手を引いた。十分に報復しただろう、これで奴が反省してくれて他の女性に被害を与えなければいいのだが。そう思ったからだ。

女に散々嘘をつき、いざとなれば「そういうつもりじゃない」、「関西ではこういうのは当たり前」。そんなの私には関係のないことだ、人をバカにするんじゃない!なめるのも大概にしろ!

これで苦しんだ大久保を見て、私は快感だった。心で私は「もっと苦しめ!」と呟いていた。世の中は因果応報、自信の軽々しい言動が人を苦しめてその苦しみがいつか自分に返ってきた、それが大久保だった。