Darkness world -ある捻くれ者のつぶやき-

成瀬香織です。私の幼少期からの出来事をエッセイ形式で書いていきます。(ちなみにこれは全て私の心理カウンセリングで使われたものです。虐待などの内容を含むため、閲覧にはご注意ください)

いじめ

今思うと幼い私に安息の場は無かった、家も学校も常に居づらい場所でしかなかった。

小学校に入り、私はいじめに遭うようになった。物を隠される、壊される、悪口や暴力、そういうものは日常茶飯事。学校も助けてくれなかった。特に小学校1、2年生の頃の担任は本当に酷いものだった。ひとりだけ先生お気に入りの女児、優花(仮名)がいた。私は優花からいつもいじめられていた。仲間はずれにされたり、悪口を言われたり、そして周りの子たちもいじめられたくないからついつい優花の仲間になる。彼女は先生や大人の前ではいつも良い子ぶっており、裏では誰か弱そうな子を見つけては嫌がらせをしたりパシリに使ったりするなどを普通にするような子だった。それだけではなく平気で周りを脅して自分の味方にしてしまうというたちの悪い女児だった。

ある日優花の嘘で私は思いっきり恥をかくことになった。その日の朝の会で優花が「うちの妹ははる香ちゃんに昨日ブサイクと言われたと言ってた!それで泣いていた」と言い出した。私は彼女の言うこの日の前日に彼女の妹には会っていないし、それ以外の日に会ったことはあってもブサイクと言った覚えもない。それを聞いて先生は「またお前か」と言わんばかりに私の言い分を聞かず私を怒鳴りつける。私が身の潔白を主張しても先生は信じてくれず、挙句クラス全員に「はる香ちゃんがブサイクと言ったと思う人~!手挙げてー!」と多数決を取りはじめた。やはりクラスメイトは皆優花はクラスのボスだと認識していたため、逆らうと今度は自分がいじめに遭うのも知っていた為そこではクラス全員が手を挙げたのだ。おかげで私は悪者に仕立て上げられた上に、しばらくそれを理由にいじめの対象になったのだ。周りも私をいじめてもいいという認識になっていき、私はクラス内での居場所をなくしたのだ。

それだけではなかった。私は小学校低学年の頃から空手を習っており、二年生になったある日、優花も空手を習い始めた。正直言ってそこでもまた憂鬱だった。そしてここでも事件が起きてしまうのだった。ある放課後、私はその日は習い事があるので学校が終わってすぐに帰宅をしようと教室を出て昇降口に向かっていた。そこへ彼女と仲間数名が私を取り囲んで「今から遊ぼう!」と言ってきた。だが私は「きょうは習い事があるか遊べない。帰らなきゃいけない」と言って帰ろうとしたが、彼女たちは私を取り囲んで帰らせてくれない。私はそれでも習い事があるから、そこをどいて欲しいと言ったがどいてくれず、しまいに彼女が私の腕を思いっきり掴んで教室の方に連れて行こうとしたので、私はその腕を振り払って逃げるようにして学校を後にした。そしてその次の日、彼女はまたしても朝の会で「昨日の帰りに、はる香ちゃんが私(優花)と○○ちゃんと○○ちゃんに空手技を使ってきた!」と先生に言いつけたのだ。もちろんそんな事を私はしていない、ただ私は彼女の腕を振り払っただけなのに・・・。先生はまた私の言い分など聞かずに一方的に私を怒鳴りつける。そしてクラスのみんなも私が悪いなどと言い始めて、私はとうとう泣いてしまった。そして先生や他のクラスメイトたちから無実であるのにつるし上げられた私はその場にいるのも辛くなり、「もうみんななんて嫌いだ!」と声を上げて教室から飛び出してしまった。その後はあまり覚えていないが、保健室で保護されていたことを覚えている。そして休み時間になって担任の先生が鬼の形相で私の元に来るや、何も言わずに私の手を引いて教室に連れ帰った。そしてそれだけでは済まず、教室に入るやまたしてもクラス全員でつるし上げを始めた。私もさすがにそこにいるのが辛くなって先生に「どうして信じてくれないの?私はやってないのに・・・。もう先生も嫌いだ!」と先生の腕を振り払ったところ、今度は先生は「お前今何て言った?!」と私に言ってきて、教室から私を追い出した。そして途方にくれていたところ、今度は教頭先生に声をかけられてまた保健室に護送された。その日は昼前に母が学校に迎えに来て家に帰った。

母は私が家に帰ってから優花を思いっきり褒め称えた挙句私はバカだからこうしていじめられると私を罵った。加えて優花ちゃんは頭もいいからみんな大好きなんだよ、と。私は決してそうじゃないと言ったが母は信じてくれなかったのだ。それだけ彼女は周りを取り込むある意味天才的な才能があったのだろう。この話はそれだけでは済まず、彼女は私が空手技を使ったと事もあろうか空手の師範に言いつけたのだ。そのおかげで私は空手を破門になりかけた。優花のタチの悪さはみんな知っていた。無論その女児にいじめられたくないからと普段は彼女の味方をしていた。だがその中にもいくら優花でも悪いことは悪いと思う子もいたわけで、運よくこの騒動の顛末を知っていた私と同じクラスにいた別の児童が空手の師範にこっそり私の潔白を主張したのだ。そのおかげで私は空手を破門にならずに済み、優花は空手を辞めていった。それ以来彼女からのいじめは減ったが、たまに面倒な用事を押し付けられることもあったので、私は極力彼女を無視していた。だが学年が変わっても彼女は私に何かと突っかかってくるというタチの悪さは相変わらずだった。平気で意地悪をする、私物を取り上げるなど。そして周りには良い子を見せ付けるというのも健在で。

ついでに今の時代にこんな対応をした先生はきっとマスコミの格好の餌食になるだろう。そして教育委員会も黙ってはいない、本当に今考えても胸糞が悪い。

 

この騒動以外にもなぜか私はいじめの標的になることが多かった。そしていじめに遭うたびに出てくるのが私の母だった。母は私がいじめに遭うと普通に学校に乗り込んでクレームをつけるような人だった。今で言うモンスターペアレントのようなことも普通にしていた。抗議の対象は学校だけではなく、いじめた相手の家も普通だった。親心だったのだろう、わが子をいじめから守りたいと考えていたのだろうと思うが、結局それも全て行き過ぎた行為になってしまって、その恨みが私に向かっていたこともあったのだと思う。ただ、母は相手によってクレームをつける場合とそうではなくいじめた相手に対して「お母さんあなたのことが好きだから、うちの子をいじめないで」などと言う場合と2パターンあったのだ。母が気に入らない相手だと前者であり、母が気に入っている相手だと後者である。時には相手の家に電話で抗議するだけではなく先生の家に電話をする、相手の家に突撃するなども普通だった。正直その翌日が私にとっては憂鬱だった、やはり当事者からの報復が怖かったから。報復は何度も受けた。理由もなく放課後居残りさせられたり、いきなり階段から突き落とされてケガをさせられたり、悪口を何度も言われたり。自殺しなかったのが不思議なぐらいだった。

母の行動がクラスで話題にあがっていたのは言うまでもない。そして私はいつも肩身の狭い思いをしていた。「また私ちゃんのお母さんが怒鳴り込んできた」など、クラスの中で何度も聞いていた。その度にいじめがひどくなることもしばしば。両親に何度も転校したいと言ったが、近所の目があるなど世間体の事ばかりを気にして結局転校はさせてもらえなかった。学校でいじめにあっても周りがいじめに遭った側の心のケアをして、突撃して怒鳴りつけるなどせず、他のやり方でいじめをなくすように動くことをしていれば私はこんなにも苦しむこともなかったと思う。

小学校5年生の終わり頃からそれまで仲良くしていたクラスメイトの女児(以下則子)から執拗にいじめられるようになった。則子の家は米屋を営んでおり、両親共に多忙であり彼女は両親から構ってもらえないような子だった。性格もわがまま、自分が気に入らなければすぐに意地悪をするなど。そのせいか、私の元に来ては散々嫌がらせをするようになった。悪口から始まり、こちらもタチが悪く私の私物やお金を要求するようになる。そして何度も「おごっておごって」と私に要求をするようになった。たとえば私が学校の購売部で学用品を買っているのを目撃すると、

「あら、きょうお金持ってるの?だったら帰りにおごってよ!お釣りあるでしょ?」

としつこく言ってくる。それで私が断ると

「何よ!いいからおごりなさいよ!あんたの家、お金持ちなんだからそれぐらいいいでしょ?」

と更にしつこくなるのであった。則子は自分ひとりで私を苛め抜けないと判断したのか、そこに今度は「自分はクラスのアイドル」だと自称するクラスメイトの女児(以下マミ)と北日本から転校してきたばかりの女児(以下朝子。マミの取り巻き。則子も実はマミの取り巻きではあるが)、そして幼馴染の優等生の女児(以下幸子。私と則子の幼馴染)も私へのいじめに加わったのだ。そして勝手に「私家は金持ち」だと決め付けて私にそう言わせては金品を奪ったり、お小遣いを持っていたりすればそれを見つけて「おごってもらおう」などということになり、最悪なことにお金を持っていない日には「じゃあ、親に持ってきてもらおう!今すぐ親呼び出せよ!」などとなったりもした。さすがにそれは断った。断ると「じゃあもう友達じゃないね!ばいばーい!」などとふざけた態度をとるのだ。

因果応報なのだろう、私をここでいじめていた則子をはじめマミ、朝子、幸子共に現在は傍から見て人もうらやむ人生を歩んでいるものは誰もいない。則子に関しては高校卒業後に行方不明、マミは市外にあるGランクの高校入学後すぐに学校を退学、歳をごまかしてスナックで働き17歳で妊娠が発覚して結婚。出産するもすぐに離婚。その後何度も出来ちゃった結婚と離婚を繰り返しており複数人の子供の母親に。ちなみに子供の父親は全て違う。朝子は堂々と名前を言うことも出来ないような低い偏差値の高校に入学、その後は就職できず、アルバイトのみで生計をたてていたがニートの男と出来ちゃった結婚。幸子は私と同じ高校に主席で入学するが、入学後に拒食症になりギャルへ変貌。高校卒業後すぐに出来ちゃった婚をして安い給料のパートをしながら実家近くのアパートで暮らしている。のちに地元のスーパーで彼女を見たが、汚い言葉遣いで子供を怒鳴りつけていた。見た目も田舎のヤンキー風になっていた。実は幸子も見た目は優等生であったが親が教育ママ、彼女は相当期待されていたが親の期待に添えなくなった途端にどんどんグレていったのだ。彼女には弟もいたが、中学入学とともにヤンキーと化してしまい、市内の低偏差値の学校に通うこととなった。

 

それ以外にもクラスメイトからいじめられることはしばしばだった。男子なんて本当にひどいもので、私をいつからかばい菌扱いするようになり、私に触るとカビが生えるだの腐るだの・・・そういう科学的根拠も無く、根も葉もないバカな理論で私を避けるようになった。それだけじゃなくいきなり罵倒したり、暴力をふるってケガを負わせても謝罪もしないなど。これには母も憤慨して学校に乗り込んだ。

担任の先生に事の顛末を話して、翌日先生から「こういう事はしてはいけない、そのようにクラスメイトを仲間はずれにしても後に自分たちが苦しむだけ」と言われて私をばい菌扱いした人たちが謝ってきたものの、結局それも一定期間だけ。その期間がすぎるとまた元の通りいじめ始めるのだ。そのたび母は学校に出向いて「いじめをなくして欲しい」と訴えたが効果はほとんど無く、それに業を煮やしたのか今度はいじめっこの家に電話をしていじめっ子本人に説教をし始めた。おかげで「言いつけただろう!」となって余計にいじめられることになってしまったのだ。

母のした行動は確かに分からなくもない、わが子を守れるのは親だけだというのも分かる。だが他に方法はなんぼでもあったのではないか?と私は思う。それ以前に母親が学校に乗り込むまではまだ理解できるが、相手の家に電話をして当事者や保護者に説教をするのはかえって逆効果な気もする。今それをやれば間違いなくモンスターペアレント認定だ。そしてモンスターペアレントの子供はいじめに遭う・・・そういう構図であろう。

いじめを無くす方法、それは今でも正直分からない。だが我が家は身内に警察官だっていたわけで、本当にどうしたらいいのか?となれば身内ではなくとも地域の警察に相談することだって可能だったはず。教育委員会に相談をして学校で今起きていることを明白にしてもらうことだって出来たはず。場合によっては親が当事者の家に怒鳴り込むようなことをしなくても解決できたかもしれない。私がどこか遠くの学校に転校することだって解決法だったのかもしれない。両親はやはり私を転校させたくなかったようだ。転校の手続きや新しい学校への転校準備や転校してからの送り迎えなど手間がかかるから。正直言うと母方の叔父の家から小学校、中学校、高校と通いたかったものだ。それか母方祖父の家から近い小学校に転校したかったぐらいだ。

母は言った。お前はバカだからどこに行ってもいじめられる!と。本当に原因が私にあるのなら児童相談所にでも行くだろう。賢い親ならそういう選択をするだろう。それすらしない親を私は哀れに思う。たとえ私に原因があるならそれぐらいのことをして欲しかった。そうもせずに被害者面ではそれでは家族全員嫌われる。

 

そのいじめは中学にあがってからも続いた。